大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27(オ)1062 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告理由について。

上告人の所論答弁書には「賃借人(被上告人)において本件契約所定の賃料を一

回たりとも期日に支払わないときは履行催告の手続を要せず直に本契約は解除せら

る旨の特約に基き、本契約は解除せられている」との抗弁が記載せられていること

は所論のとおりである。しかし、上告人の右抗弁の内容は要するに「本件賃貸借契

約には、賃借人において賃料を一回たりとも期日に支払わないときは契約は当然解

除になる旨の特約が存し、該特約に基き本件賃貸借契約は、すでに当然解除になつ

たものである」という主張に帰著するのであつて、なんら上告人において意思表示

による契約解除の事実を主張したものでないことは本件弁論の全趣旨に徴し明白で

ある。されば、右の如き意思表示による契約解除がなされたか否かは、元来本件で

は判断の必要がないのであり、ひつきよう、原審が「被告(上告人)が本件賃貸借

契約解除の意思表示をした事実は認められない」旨判断したのは、無用の説示にす

ぎず、これを攻撃する論旨は採用することを得ないのである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!